【限りある命と向き合う姿】
皆さん、こんにちは、あわーず坂本です。
今日から3月のスタートですね!
月が変わるだけでも、なんとなく外出したときには温かく感じる気がするのは私だけでょうか?笑
今回は、江東ステーションで私たちが支援していた利用者様の方を紹介したいと思います。
※以下利用さんをYさんとしてお話を進めていきます。
長年一人で生活されるYさんへの訪問支援が開始となったのは昨年の夏前で、約9ヶ月のお付き合いとなりました。
春の温かさを感じるようになった先日の朝、Yさんはご自宅で息を引き取りました。
Yさんは昨年、在宅医療、訪問看護の支援を開始する時点で主治医からは、体の状態的にも厳しく、治療による根治は難しいことの説明を受けていました。
その説明を受けたあと、比較的状態は安定し新年を迎えることが出来ました。
私は直接、この利用者の方とお会いすることはなかったのですが、担当スタッフから相談を受けました。
「どう対応したらよかったでしょうか?」
担当スタッフがYさんからあるものを譲り受けました。
それはふろしきに包まれた、古さを感じさせるスケッチブックとファイルでした。
中を開けてみると、そこにはYさんがこれまで描き溜めた、たくさんの素敵なお花たちが描かれていました。
Yさんは担当スタッフへ
「自分が逝ってしまったあと、捨てられるだけだし、他に渡すところもないからもらって欲しい」
Yさんと担当されていたスタッフは偶然に生まれが同郷だったこともあり、Yさんのこれまでの人生の歩みを快く教えてくださったそうです。担当スタッフの祖母がお花が好きであることを伝えると「(花の絵)それをおばあちゃんにも見せてあげて」と声をかけてくださいました。
Yさんが描かれた素敵な作品を受け取った日から2週間後、Yさんはご自宅で最期を迎えました。
自分の人生に限りがあることを受け止め、最後まで自分の人生と誠実に向き合う姿に、Yさんからは生きる強さを改めて教えていただきました。
Yさんが最後の日まで人生を歩まれたひとつの証として、譲り受けた数々の素敵な絵を大切にしていきます。
多くの人に、Yさんの作品を楽しんでいただけるようにしたので、ステーションへ足を運ばれた際はご覧になって頂ければ幸いです。
Yさん、この度は当ステーションのスタッフを温かく、そして大きな心で迎えてくださり、本当にありがとうございました。Yさんと関わらせていただいた時間は、これからも在宅医療の道を歩む私たちスタッフにとって、とても心動かされる、大きな励みとなるものになりました。
これからも、楽しく素敵なお花の絵をたくさん描き続けるYさんの姿を思って、この度の江東ステーションの利用者様の紹介とさせていただきます。
最後までご拝読、ありがとうございました。