多職種連携

【事例18】医療連携の意思決定支援により、最期まで安心して在宅生活を送れたケース

ご利用者 80代 / 男性
サポート体制 NS, PT
疾患名 上行結腸がん末期、前立線がん、白血病

ご依頼までの状況

前立腺がん、白血病にて内服加療中に症状が改善せず、肝浸潤のため、回腸横行結腸バイパス手術を施行した。
切除不能であり化学療法中。地域包括支援センターからの依頼で訪問看護とリハビリが開始した。

ご本人の希望

転ばないように気を付けながら、体調の良い時は植木に水をやるなど、自分でできることはやりたい。

ご家族の希望

父が困らないように支援し、好きなことが続けられるようにしてもらいたい。
「家が病院のようになってしまうのは嫌」という希望があ り、ホームドクターは利用せず、病院の受診は継続。在宅サービスも必要最小限にしている。

支援内容

NS:
末期がんについて、ご本人には未告知ということでしたので、関わり方に注意を払いながらケアを行ないました。病状の進行によって、今後起こりうるADL※1の低下を予測し、福祉用具の導入・ 練習、倦怠感や浮腫に対するケア、楽な動作・負担の少ない動作の練習、疼痛・苦痛緩和のためのリラクゼーションを実施しました。
先に亡くなった奥様の話や趣味の話を伺いながら、ご本人の希望やお気持ちに寄り添うことを最優先に心がけました。 ケアマネージャー・看護師・主治医との連携を密にしてご 本人、ご家族が安心して在宅生活を送るための意思決定支援※2を行ないました。 (※1)ADL(日常生活動作) ... 日常生活を送るために必要な動作のことで、食事、移動、排泄、 入浴、衣服の着脱、歩行などを指す。
(※2)意思決定支援 ... その人が心から納得して決定するよう支援すること。

身体状況・精神面の変化

病状の進行に伴い、浮腫や倦怠感、貧血は強くなっていきましたが、「なるべく自分の足で歩きたい」というご本人のお気持ちが強く、診察や輸血を受ける病院までご家族と歩いて往復されていました。

ご利用者・ご家族の声

最期は病院でお亡くなりになりましたが、キーパーソンであるお嫁さんは実の親子のように親身になって介護されていらっしゃいました。スタッフが訪問に来ることで、ご本人が 生き生きとお話されていたことや「アルバムや趣味のコレクションを見せる楽しみができた」と喜んでいらっしゃったとのことです。入院中も「またあわーずさんに会えることが目標です」と 言っていただき、病室での写真を送ってくださいました。「毎週あわーずさんが訪問する日を楽しみにしてい たのです。いい時間が過ごせました、ありがとうございまし た」とのお言葉をいただきました。(スタッフ談)