ご依頼までの状況
脳梗塞により急性期から回復期病院での治療・リハビリを経て退院。嚥下障害が重度となり、経口からの栄養確保が困 難なため入院中に胃ろうを造設した。身体機能は明らかな麻痺はないものの、筋力低下、バランス不良がみられ、かろうじて屋内で伝い歩きができる状況だった。認知面は年齢相応 なレベルであり、簡単な日常会話のやりとりは概ね可能であった。
退院後、身体機能と嚥下機能の更なる改善を目指し、リハビリの継続を希望されるということで、訪問リハビリの開始となった。
退院後、身体機能と嚥下機能の更なる改善を目指し、リハビリの継続を希望されるということで、訪問リハビリの開始となった。
ご本人の希望
少しでも口から何か食べたい。本当はビールが飲みたい。
ご家族の希望
本人が望むなら口から食べられるようになってほしいが、 家族としては「誤嚥※1性肺炎」が心配である。
(※1)誤嚥(ごえん) ... 気管に入ってしまうこと。誤嚥性肺炎とは誤嚥が原因で起こる肺炎。
支援内容
ST:
開始時には敢えて食べ物を実際に食べる練習を行なわず、発声訓練、 口の運動、上半身のストレッチなど、 嚥下で使う器官の筋トレを中心に実施することにしました。
はじめは唾液の飲み込みでもムセ※2がみられていたが、徐々にムセが減少しました。そこで、ご本人の希望も強かったこともあり、食べる練習を開始することにしました。
誤嚥性肺炎のリスクをご家族も心配されていたため、歯科医師による「嚥下内視鏡検査」を依頼し、その評価内容も合わせ、主治医、ご家族、ケアマネージャーなどと連携を取りながら、現在も経口摂取の練習を進めているところです。
ご家族は誤嚥性肺炎の心配をされているので、今後も他職種のスタッフやご家族と連携を図り、更なるステップアップを目指しています。 (※2)ムセ ... 気管に間違えて入ってしまったものを吐き出す働き。
開始時には敢えて食べ物を実際に食べる練習を行なわず、発声訓練、 口の運動、上半身のストレッチなど、 嚥下で使う器官の筋トレを中心に実施することにしました。
はじめは唾液の飲み込みでもムセ※2がみられていたが、徐々にムセが減少しました。そこで、ご本人の希望も強かったこともあり、食べる練習を開始することにしました。
誤嚥性肺炎のリスクをご家族も心配されていたため、歯科医師による「嚥下内視鏡検査」を依頼し、その評価内容も合わせ、主治医、ご家族、ケアマネージャーなどと連携を取りながら、現在も経口摂取の練習を進めているところです。
ご家族は誤嚥性肺炎の心配をされているので、今後も他職種のスタッフやご家族と連携を図り、更なるステップアップを目指しています。 (※2)ムセ ... 気管に間違えて入ってしまったものを吐き出す働き。
身体状況・精神面の変化
リハビリを開始して3年が経過。その間、唾液誤嚥が原因と思われる誤嚥性肺炎による入院が数回ありましたが、身体機能・嚥下機能が悪化することなく、経過しています。唾液の飲み込みより、ゼリーの飲み込みの方がスムーズですので、 食べることで嚥下機能の改善を目指しています。
ご利用者・ご家族の声
食べられるものはまだゼリーに限られていますが、「おいしい」と笑顔で食べているのが家族にとっても嬉しいです。