看護師

【事例04】対人関係の形成が困難だった方が、 対話ができるようになったケース

ご利用者 20代 / 男性
サポート体制 NS
疾患名 中等度知的障害、その他行動障害

ご依頼までの状況

中等度精神遅滞により衝動性の制御が難しく、些細な刺激により衝動性の行動が起こりやすい状態であった。精神科病院から退院後の服薬管理、症状管理を目的に訪問看護を開始 した。

ご本人の希望

「自立した生活を送りたい」とのご希望があり、B型作業所やグループホームを探している。また「レストランでの皿洗いをしたい」とのご希望もあり、県内のB型作業所などを見学している。訪問看護では精神的に不安な症状をなくしたい。

ご家族の希望

本人の意向に沿った援助をしていきたい。時間のある限り県内のB型作業所やグループホームを一緒に見学している。
親子二人の時間が長いと精神的に苦しくなるので、親には言えないことなど、本人の気持ちを聞いてほしい。

支援内容

NS:
週に3回の訪問看護を開始しました。対人関係形成が困難であるため、初めての人とコミュニケーションをとる練習として、爪切り・耳かきなどの看護を通じて意識的に会話をしました。
ご本人・お母様・訪問看護師の三人で 会話やトランプをした後に、お母さまに退席していただき、二人で会話をしまし た。専用のあわーずノートを作成し、訪問看護師の氏名や訪問当日に行なったことをノートに記載させていただく練習も毎回取り入れています。

身体状況・精神面の変化

対人関係の形成が困難であるとのことでしたが、担当者の喋り方・声のトーンなどがご本人に合ったようで、早くも訪問2回目から、お母様が同席せずに訪看看護師と二人でコミュ ニケーションがとれるようになりました。
1回目は声が小さく、お母様を介してでないと伝えることが 難しい状況でした。2回目では声も大きく張りがあり、伝えたいことをハッキリと言えるようになり、会話も長く続くようになりました。引き続き、コミュニケーションがとれるよう支援し、対話によって精神の不安症状も軽減するよう努めています。

ご利用者・ご家族の声

お母様:
不在時に他人を家に招き入れることが今までなかったので、大変びっくりしていると同時にとても嬉しかったです。本人に合ったB型作業所を探していますが、長続きすることができない状況でしたので、訪問看護というサービスに出会えて、本人が受け入れてくれたことに感謝しています。