看護師

【事例05】多職種連携による在宅ターミナルケアで、 最期まで在宅生活の希望が叶ったケース

ご利用者 70代 / 男性
サポート体制 NS
疾患名 食道がん

ご依頼までの状況

化学療法などの積極的治療が困難であるためBSC※1方向となった。
在宅療養を強く希望されたが、食道通過障害があり経口摂取困難なためCVポートからの24時間持続点滴が必要であった。 カフティポンプ(在宅用輸液ポンプ)を利用して、24時間持続 高カロリー輸液管理するなどの状態観察で訪問開始となった。 (※1) BSC(ベスト・サポーティブ・ケア) ...がんに対する積極的な治療は行なわず、痛みなどを和らげる治療に徹すること。

ご本人の希望

自分で何でもやってきたので、これからも自分で何でもやっていきたい。入院は絶対にしたくない。最期まで自宅にいたい。

ご家族の希望

本人の希望通りにさせてあげたい。

支援内容

NS:
主に点滴管理、カフティポンプの管理とその使い方の指導として毎日訪問することになりました。緊急時を含めて24時間管理体制で、夜間、早朝、土日祝日も訪問を行なうことで、 家族の方たちに精神的に「安心」「安全」を提供できました。
開始直後は、訪問診療が入っていなかったため、ご本人、 ご家族の在宅療養の希望が強かったこともあり、訪問診療医の導入をすすめました。開始後2ヶ月頃からは体力が低下し、 疼痛コントロール※2が必要な状況となり、医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャーなどの多職種連携をとり、チーム一 丸となってご利用者様のターミナルケアに全力を尽くしました。 (※2)疼痛コントロール ... 一定時間ごとに痛みの強さに応じた薬を飲むことで、痛みを軽減 するようにコントロールすること。

身体状況・精神面の変化

訪問開始後、徐々に症状が進行し、 疼痛コントロールが避けられない状況となりました。この時期はとくに精神面のケアに気をつかいました。 家族と会話している時に急変し、家族が見守る中での看取りとなりました。訪問開始から、「最期まで自宅にいたい」と言っていた利用者様の希望が叶った最期でした。

ご利用者・ご家族の声

「入院は絶対にしたくない」「最期まで自宅にいたい」と 日頃から言っているので、少しでも自分の好きなようにできれば良いと思っています。毎日訪問に来てくれるので家族としてはとても安心して過ごすことができました。