作業療法士

【事例12】学習療法・回想療法などの介入で、 食事量の減少に早めに対応できたケース

ご利用者 90代 / 男性
サポート体制 OT
疾患名 パーキンソン病心不全、アルツハイマー型認知症

ご依頼までの状況

心不全による入院をした経緯があり、廃用傾向がある方だった。退院後は自宅での活動量が低下し、ADL※1が低下することを懸念し訪問開始となる。 (※1)ADL(日常生活動作) ... 日常生活を送るために必要な動作のことで、食事、移動、排泄、入浴、衣服の着脱、歩行などを指す。

ご本人の希望

自分の足で歩きたい。

ご家族の希望

階段を昇れるようになってほしい。

支援内容

OT:
リハビリは、週1回60分の介入。認知機能は短期記憶の低下が顕著であり、メモや日記をつけることを促すなど学習療法・回想療法を実施しました。
身体機能面は、息切れなどに注意しながら、簡単な体操とこたつからの立ち上がり、入浴でのまたぎ動作の練習、廊下や玄関での歩行や段差練習を実施。主たる介護者である息子様に介護疲れがみられる時はお話をうかがい、認知症を持つ方への関わり方などのアドバイスをしています。

身体状況・精神面の変化

昔からなんでも自分で頑張る性格であったため、身体機能はすぐに回復し、階段の昇り降りなども安全に行なえるようになりました。認知機能の低下により何度も同じ質問や間違いをしてしまうためメモを取っていただき、介護者である息子様のストレスを減らせるようアプローチしています。少しずつ利用者様への言葉掛けが優しくなり、良い関係になりつつあります。
薬を飲む時にムセがあり、食事量が減っているなどの変化がみられるため、その都度、訪問医に連絡し、診てもらうよう依頼しました。1年半ほど介入し状態は安定していたものの、急に薬の副作用により食事量が減り、座ることしかできないこともあり、栄養管理のできる病院へ入院となりました。 状態変化にすぐに対応でき、現在は施設に入所しています。

ご利用者・ご家族の声

食べられない時やその他の場面でも様々なことを相談させていただきました。早めの対応で胃ろうを造設せずに回復で きたことを感謝しています。できるだけ在宅でみていきたい思っていましたが、施設入所への踏ん切りがつきました。