作業療法士

【事例14】歩行練習と脳トレによって、 屋外歩行の距離が増えたケース

ご利用者 80代 / 男性
サポート体制 OT
疾患名 多発性脳梗塞、肺炎

ご依頼までの状況

難聴の奥様と二人暮らし。5年ほど前からパーキンソンの症状が見られ、昨年から畑仕事や車の運転を止めることになり、 自宅に引きこもりがちになった。心身状態は、多発性脳梗塞による姿勢反射障害、歩行障害に加え、軽度の認知症がみられた。日常生活動作は概ね自力で可能だが、歩行障害により転倒しやすい状態であり、日常生活の継続に不安があるとのことで、訪問リハビリの依頼がきた。

ご本人の希望

通所サービスは利用したくない。自宅での生活を継続した い。

ご家族の希望

高齢者の二人暮らしなのでなにかと心配。もっと身体を動かして、なるべく身体機能を維持していきたい。受診の際には外出するので、できれば屋外散歩もしてほしい。

支援内容

OT:
週2回の訪問を開始しました。介入当初は、自宅内で畳の上でのマット運動や壁やタンスなどをつたって歩行練習を実施しました。
さらに、認知機能の維持のための脳トレのプリントなどを提示しました。徐々に屋外歩行も導入し、活動性の向上に努めました。
また、自宅内に手すりの設置などのアドバイスを含め、環境整備も行ないました。

身体状況・精神面の変化

介入後、約半年で転倒の回数は軽減し、屋外歩行は当初杖歩行で20m程度だったところ、200m程度の歩行が可能となりました。介入開始から1年半継続していますが、心身機能や日常生活動作の低下もなく、生活動作は現状維持ができています。

ご利用者・ご家族の声

ご本人は屋外で歩行することを楽しく思っている様子です。 高齢ということもあり、活動性の拡大は望まれず、現状の生活に満足しておられます。ご家族も日中に訪問者があることで安心でき、リハビリを始めてから具合が悪くなることもな く、動きも良くなったとの報告もあります。(スタッフ談)